情報処理系の国家資格として有名な「Iパス」と「基本情報」。商業生はどっちを取るべきなのか自分の意見を書いていきます。
結論から言えば基本情報の方が100倍良いと考えています。詳しくは下記をお読みください。
Iパスの概要
正式名称は「ITパスポート試験」といい、全ての社会人・社会人となる学生が取得すべき資格とされています。
立ち位置
Iパスの立ち位置は「レベル1」です。IPA(実施団体)が定めているIパスのキャッチフレーズは「あなたのIT力を証明する国家試験」です。
( 引用元:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/seido_gaiyo.html )
出題範囲
基本情報と同様に、分野は3つです。
ストラテジ系(出題35問)
経営戦略や企業活動・企業法務、システム戦略など経営に関する基礎知識が問われます。
計算問題も多少有りますが簡単な計算問題がほとんどで、暗記系分野のイメージが強いです。
マネジメント系(出題20問)
主にプロジェクト関係知識が中心となります。それに加えてシステム監査の問題も問われます。
こちらも計算問題が多少有りますが、基本情報よりも簡単な計算問題となっています。
テクノロジ系(出題45問)
一番比重の高い分野です。基礎理論・技術要素・コンピュータシステムの3つの大分類からなりITに関する基本的知識や技能が問われます。
基本情報・午前試験との大きな違いは後述しますが、Iパスでは表計算問題が出題されます。
離散数学という受験生が苦労する分野も試験範囲になっていますが、基本情報より難しい問題は出ず、対策すれば簡単にマスターすることが可能です。
合格率
Iパスの合格率はIPAによれば令和元年実績で「54.3%」とされています。
基本情報の概要
正式名称は「基本情報技術者試験」といい、高度IT人材になるには欠かせない知識・技能を測る試験とされています。
立ち位置
基本情報の立ち位置は「レベル2」です。IPA(実施団体)が定めている基本情報のキャッチフレーズは「ITエンジニアの登竜門」です。
( 引用元:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/seido_gaiyo.html )
出題範囲
午前・午後とも3分野からなります。(出題数は午前問題)
テクノロジ系(出題50問)
Iパスよりも高度な問題が出題されます。各中分類内に定められている小分類の数もIパスよりも増え、広いIT知識が問われます。
また計算問題もIパスよりレベルがグンと上がり、独学での限界を感じる場合もあります。
マネジメント系(出題10問)
Iパスよりもより高度な問題が出題されます。計算問題も勿論あります。
ストラテジ系(出題20問)
Iパスより(以下略)
合格率
基本情報の合格率はIPAによれば令和元年実績で「25.7%」とされています。
Iパスと基本情報の違い
商業生が基本情報を受けた方が良い理由
※ここでいう商業生は情報処理系列の学科に属している商業生を対象とします。
① 修了認定試験を受験できる
商業生が基本情報を受けるべき一番の理由は「修了認定試験」を受験できるからです。
この記事にも書いて有りますが、修了認定試験の過去問流量率は「95%以上」と言われています。
本試験の午前試験問題は40%~60%くらいの流量率であり、新しい問題の遭遇率が高まります。
基本情報技術者試験の勉強をする教科が設置されている場合、基本的に認定講座として修了認定試験が受けられるはずです。
過去問の流量率が高いと言うことは最悪解答を「暗記してしまえば」合格することも出来る訳です。
② 差を付けられる
Iパスは普通科と商業科の合格率の差があまりありません。勿論母数が違うのもあるので一概には言えませんが、Iパスは十分独学でも対策さえすれば合格出来る試験です。
一方基本情報は、午後問題が難しいのもあり高校生合格率が普通科・商業科ともに低い傾向にあります。
つまり基本情報を取得しているだけで十分過ぎるステータスとなります。
③ 受験料が同じ
お金の目線でも基本情報を選ぶべきです。本来資格は下位級は安く上位級は高いのが普通です。
しかしこのIパスと基本情報はスキルレベルが違うのに受験料は同じ5,700円なのです。
せっかく同じ受験料を支払うのであれば、より評価される基本情報を取る方が良いのです。
Iパスを選択するタイミング
商業生がIパスを選択するタイミングは、2回目・4回目の午前免除試験に落ちた時だと、私は思います。
基本情報の本試験午前問題は、過去問流用率がかなり下がります。つまり午前免除試験が合格出来ないのに本試験午前問題は受かることは難しいと考えるのが妥当だからです。